「Krush.6」が29日、東京・後楽園ホールに1600人・満員の観衆を集め開催された。
メーンには08年11月の第1回「Krush!」以来となる山本優弥が登場。伝説のキックボクサーでありUFC王者ともなったモーリス・スミスの愛弟子スコット・シャファーと対戦した。
開始からパワフルな左フックを上下に打ち分け、重いローキックを見舞っていくシャファーだが、山本はこれを浴びてもひるまずに前へ出る。そしてスピーディーな左ミドルでレバーをエグり、シャファーを少しずつ下がらせていく。常にロープへ追い詰めて展開し、このまま優勢で1Rを終えるかに思われた山本だが、シャファーは最後に右フックを見舞ってヒット。山本はこれでヨロめきダウンを喫してしまう。立ち上がった山本は打ち合いへ臨み挽回せんとするが、再びシャファーに右ストレートを打ち込まれて足がフラつき、いきなりピンチの立ち上がりとなってしまう。
だが、K−1の大舞台を経てきた山本は冷静さを失わず、2Rに入っても左ミドルを中心とした攻めを続行。シャファーを再びロープへ追い詰めると右ハイを打ち込み、これでダウンを奪い返す。このダウンで流れを引き戻すかに思われた山本だが、タフなシャファーは余力を残しており、フィニッシュに向かった山本を右ストレートと左フックで逆に打ち負かす。山本はマウスピースを飛ばされるなど、再び形勢を盛り返されて2Rを終える。
しかし初回から打ち込んできたミドルやヒザが最終回になり活きてきたか、山本は3R、シャファーをロープ際から出さず攻め立てる。ここから逃れんとしたシャファーにまず右ストレートでダウンを与えると、立ち上がって続行に臨んだシャファーに再びハイキック。さらにこの倒れ際にダメ押しのヒザも見舞って完全ノックアウト。ダウンの応酬というメーンにふさわしいスリリングな攻防を制し、復活勝利を果たした。
試合後マイクを持った山本は、この日リングサイドで観戦していた谷川貞治K−1イベントプロデューサー(EP)に「世界トーナメントの空いてる推薦枠、僕に下さい」とマイクで直訴。山本の試合に満足げな表情を浮かべていた谷川EPだが、これからどのような判断を降すか注目が集まる。
セミファイナルでは“喧嘩番長”高谷裕之とのK−1ルール戦を打ち上げた梶原龍児が総合ファイターの遠藤大翼と対戦。距離を開けて遠藤の大砲に空を切らせると、2Rに右ストレートでダウンを奪い判定で勝利した。
またこの日末恐ろしい実力を見せたのが、昨年のK−1甲子園優勝者・野杁正明。元A級ボクサーのソルデティグレ・ヨースケと対戦した野杁は、距離を詰めてパンチを振るってくるヨースケの戦法に冷静さを崩さず、最後は接近してきたところへヒザを打ち込み、さらに続けたヒザ連打で失神ノックアウト。弱冠16歳にしてすでにトップクラスにあらんかという実力をかいま見せた。
(Yahoo!ニュースより引用)