【カルガリー飯山太郎】バンクーバー冬季五輪に向け、当地で合宿中のスピードスケート五輪日本代表は30日(日本時間31日)、五輪オーバルで行われた非公式の記録会に出場した。日本やオランダ、ロシアなど合宿中の各国の選手が参加し、男子五百メートルでは日本記録保持者の及川佑(びっくりドンキー)が、出場17選手中ただ一人35秒を切る34秒59を出した。21人が参加した女子五百メートルでは、今月の世界スプリント選手権総合2位の吉井小百合(日本電産サンキョー)は3番目のタイムとなる38秒11をマークした。岡崎朋美(富士急)は38秒62だった。
15歳で五輪代表入りした女子の高木美帆(北海道・札内中)は千メートルで1分19秒19、五輪で出場しない五百メートルでは39秒81と、いずれも自己ベストに及ばなかった。
男子短距離の加藤条治(日本電産サンキョー)は五百メートルの最初の直線でバランスを崩して途中棄権。世界スプリント総合3位の長島圭一郎(日本電産サンキョー)、女子五百メートル日本記録保持者の小平奈緒(相沢病院)は出場しなかった。記録会は31日も行われ、高木は千五百メートルに出場する予定。
○…トリノ五輪男子五百メートル4位の実績を持つ及川が、バンクーバーに向けて順調な仕上がりをうかがわせた。今季ワールドカップ3勝の李奎※(韓国)ら有力選手不在ながらも、最初の100メートルを自己ベストに並ぶ9秒40で通過。そのまま勢いを維持して参加選手中トップタイムを刻んだ。「最初の100メートルで良いタイムを出してみようと臨んだ。思っていた通りの感覚で滑れた」と、得意のスタートダッシュに確かな手応えをつかんだ様子だが、「まだ改善の余地がある」。2月15日の五輪本番のレースまでには、さらに自らの武器を磨く構えだ。(※は火へんに赤赤)
○…国内スピードスケート史上初となる中学生五輪代表の高木は、合宿での初の記録会では平凡なタイム。それでも、20日のカルガリー入り後はハードなトレーニングを続けてきただけに、「疲れがあり、タイムは考えなかった」と納得の様子だ。シニアとしては初の海外遠征にも「(精神的に)もっとまいるかと思ったが、そういう疲れはない。かなりリラックスしている」と余裕を見せる。
世界屈指の高速リンクとされるカルガリーでは、日本以外にも多くの国の五輪代表が直前合宿を行っている。五輪で出場する千メートルで今季ワールドカップ4戦4勝のクリスティン・ネスビット(カナダ)の姿を目の当たりにした高木は「『やっぱりすげえなあ』という感じ」。五輪を目前にして、世界のトップと触れる日々に良い刺激を受けている。
(Yahoo!ニュースより引用)